前書き

1 前書き

 先日、なんとなく本屋で手に取った綾屋紗月箸『発達障害当事者研究』を読んで、僕はいたく感激した。この本は、アスペルガー症候群の当事者である著者が、自分自身の障害について詳述し、分析するというものだ。構成や文体から、著者はかなり精密に論理立てて考えるタイプだと思われ、内容もとても明晰だった。

 

発達障害当事者研究―ゆっくりていねいにつながりたい (シリーズ ケアをひらく)

発達障害当事者研究―ゆっくりていねいにつながりたい (シリーズ ケアをひらく)

 

 

 僕はアスペルガー症候群ではないが、著者と同様に理詰めで考えるタイプだ。自分のそういった部分はできるだけ抑制するように心がけてきたが、この本を読んで、自分も当事者研究というものをしてみたくなった。

 僕の思考の傾向は、もしかしたら当事者研究をする際には分析力として力を発揮するかもしれない。矯正しようとしていたこの傾向を、むしろ解放してやることで、僕は僕の障害について明らかにすることができるかもしれない。折しも、自助グループに通い始めたりするなど、自分の障害と向き合おうとしていたということもあって、この際腰を据えて当事者研究というものに取り組んでみたいと思う。

 

2 自己紹介

 ・22歳男性、通院歴6年、OD時のものを含めて入院は3回した。診断名はADHD

 ・都内の男子校に通っていたが、数学ができなかったこと、部活の事務処理でミスをしてしまい部員に迷惑をかけたことなどからうつ状態になり、入院・退学。通信制高校で高卒をとり、現在は専門学生だが休学中。とはいえ症状は安定しており、現在はうつ・不眠といった症状は全くなくなっている。

(人生は辛くて長い!)

 

3 目次

1.「フラッシュバック?」・・・フラッシュバックについて。

2.考えごと・・・主にフラッシュバックと考えごとの比較と考察。

3.不注意・衝動性・多動性・・・ADHD然とした症状(障害?)についての説明と考察。

4.ADHD的な症状に対する対策・・・日常生活で行っている工夫についての紹介。

 

3 これらの記事に関する留保と注意

 この研究の内容というのは、要は、当事者である僕が自分の症状(障害?)について分析しているというだけのものです。したがって、いくつかの留保や注意がつけられなければいけません。

①客観性に乏しいかもしれない

この研究は、僕が僕自身について語るという点で自己言及的です。そして、しばしば人はフィクショナルな自分語りをしてしまうものです。そういった点で、客観性に乏しいかもしれません。

②正確性に乏しいかもしれない

僕が発達障害をかかえている以上、正確にとらえられていないとか、誤解を招く表現があるとうことがあるかもしれません。また、夢の内容を他人に話してもわかってもらえないことがあるように、僕の障害そのものが伝わりにくいものかもしれません。

③ここに書いてあることが、僕以外の誰かに必ずあてはまるわけではない

障害の度合いや内容はスペクトラムをなし、人によって違います。したがって、ここに書いてあることが安易に誰かをラベリングしたり、自らを卑下したりする理由にはなり得ません。

 

 

※お気づきの点・お問い合わせがあれば、コメント欄または freqmodu847あっとyahoo.co.jp までご連絡ください。

※脚注・「3.不注意・衝動性・多動性」の考察部分が未完です 2016.1.28

 誤字脱字・未完部分を補正しました 2016.1.30

 誤字脱字を修正しました 2016.9.24